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千葉地方裁判所 昭和50年(ワ)715号 判決 1978年5月24日

原告

鈴木千恵子

被告

潤間タクシー有限会社

主文

被告は原告に対し、金三三六万五七六〇円およびこれに対する昭和四七年一〇月二二日から完済に至るまで、年五分の割合による金員を支払え。

原告のその余の請求を棄却する。

訴訟費用はこれを一〇分しその一を原告の、その九を被告の負担とする。

この判決の第一項は、かりに執行することができる。

事実

一  当事者の求めた裁判。

(一)  原告。

被告は原告に対し金四六四万四二八九円およびこれに対する昭和四七年一〇月二二日以降支払ずみに至るまで年五分の割合による金員を支払え。訴訟費用は被告の負担とする。との判決および仮執行の宣言。

(二)  被告。

原告の請求を棄却する。訴訟費用は原告の負担とする。

との判決。

二  双方の陳述。

(一)  原告主張の請求の原因。

1  事故の発生。

原告は昭和四七年一〇月二一日午前八時四五分頃、自転車を運転して市原市菊間二三九四番地先道路上を走行中、被告所有の普通乗用自動車を運転して先行していた被告従業員訴外千葉千敏が突然同車右ドアを開けたため、同ドアに衝突し、けい部挫傷等の傷害を受けた。

2  被告の責任。

被告は右加害車両の保有者として自動車損害賠償保障法(以下自賠法ともいう)第三条により、原告が右事故によつて蒙つた損害を賠償する義務がある。

3  損害 金四六四万四二八九円

(1) 休業補償費 金一二七万八六五三円

原告は本件事故当時訴外柳沢清経営の市川市東菅野一―二七―五「八幡縫製」に縫工として勤務し、月に約三万五一五〇円の収入を得ていたものであるが、右事故により頭痛・頭重感・肩背・上肢痛・倦怠感等いわゆるけい部症候群の症状を呈し、事故以来右勤務を休まざるをえなくなり今日に及んでいる。よつて、事故以後、昭和五二年二月末に至るまでの五二ケ月分の補償費として

35,150×52=1,827,800

即ち一八二万七八〇〇円の支払を求めるものであるが、すでに休業補償費として五四万九一四七円につき受領ずみであるのでこれを控除し、残金一二七万八六五三円の支払を求める。

(2) 慰藉料 金二三〇万円

原告は、本件事故により、昭和四七年一〇月二五日から同年一二月一四日に至るまで市原市辰己台東二の一六千葉労災病院に入院し、その後も同病院に昭和四八年六月一二日まで通院した。そして一方、同年五月一〇日から東京都港区新橋六の一九の二一芝病院に通院している。また、昭和四九年五月二四日以降は芝病院への通院とあわせて千葉市葛城町二―七―一盛古己方へハリ、きゆうによる治療のため通院を続けている。以上の事情を考慮すれば、原告の精神的、肉体的苦痛に対し支払わるべき慰藉料は金二三〇万円が相当である。

(3) 治療費、交通費 金七六万五六三六円

<1> 芝病院の治療費

(イ) 昭和四九年九月一九日から昭和五〇年一〇月に至るまでの分

金四万五一六〇円

(ロ) 昭和五一年一月から昭和五二年二月に至るまでの分

金三万七八七六円

<2> 盛医師の治療費

(イ) 昭和四九年九月一七日から昭和五〇年一〇月に至るまでの分

金一六万六五〇〇円

(ロ) 昭和五〇年一一月から昭和五二年二月に至るまでの分

金二一万二五〇〇円

<3> 芝病院までの交通費

(イ) 昭和四九年九月一九日から昭和五〇年一〇月に至るまでの間の通院実数は一八二回あり、一回につき七〇〇円の交通費を要するので

700×182=127,400

即ち一二万七四〇〇円を支出した。

(ロ) 昭和五一年一月から昭和五二年二月に至るまでの分として、通院実数は一六〇回であり、一回につき七〇〇円の交通費を要するので

700×160=112,000

即ち一一万二〇〇〇円を支出した。

<4> 盛医師までの交通費

(イ) 昭和四九年九月一七日から昭和五〇年一〇月に至るまでの分

通院一回につき三〇〇円を要し、通院実数は一〇五回であるから、

300×105=31,500

即ち三万一五〇〇円を支出した。

(ロ) 昭和五〇年一一月から昭和五二年二月に至るまでの分

通院一回につき三〇〇円を要し、通院実数は一〇九回であるから、

300×109=32,700

即ち三万二七〇〇円を支出した。

以上<1>ないし<4>の各(イ)、(ロ)の金額を合計すると七六万五六三六円となる。

(4) 弁護士費用 金三〇万円

事案の性質からみて本件についての弁護士費用は三〇万円が相当である。

以上(1)ないし(4)の合計額は金四六四万四二八九円となる。

4  結論

よつて原告は被告に対し、自賠法第三条に基づき本件事故によつて蒙つた損害金として金四六四万四二八九円とこれに対する事故発生の日の翌日である昭和四七年一〇月二二日以降支払ずみに至るまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払を求める。

(二)  被告の認否および抗弁。

1  請求原因第一項の事実のうち、訴外千葉千敏が右ドアを開けたという点は否認し(開けたのは左ドアである)、原告が頸部挫傷等の傷害を負つたとの点は不知、その余は認める。

2  同第二項の主張事実は認める。

3  同第三項について

(1) 同項(1)のうち、原告が本件事故当時訴外柳沢清経営の市川市東菅野一―二七―五「八幡縫製」に縫工として勤務し、月々約三万五一五〇円の収入を得ていたこと、および原告が既に休業補償費として五四万九一四七円を受領ずみであることは認めるが、その余は不知。

(2) 同項のその余の事実はすべて不知。

4  本件交通事故については、次のような原告の過失が大きく寄与している。即ち、原告には、長女(当時四歳)を自転車前部に乗せ(二人乗りの禁止違反)、被告車のすぐ脇(三〇センチという至近距離)を通り抜けるという危険な運転をなし(安全運転義務違反)、かつ、前方注視を怠つていたという点で大きな過失がある。右のような原告の過失は、本件損害額の算定にあたつて十分斟酌すべきである。

5  さらに、被告は原告に対し、本件交通事故による損害金の弁済として合計金一〇四万六四五七円を弁済している。その内訳は次のとおりである。

千葉労災病院の治療費 金一〇万七六四〇円

芝病院の〃 金九万〇三一二円

南総病院の〃 金四万五〇〇〇円

島田鍼医院の〃 金七五〇〇円

エキス薬代 金三万〇五〇〇円

交通費 金一二万七七一九円

休業損害補償費 金五五万一七八六円

寺島外科の治療費 金三万九〇〇〇円

千葉労災病院入院付添料 金四万七〇〇〇円

以上

6  なお、原告の症状は、昭和四八年五月一〇日の芝病院への通院開始時点において既に固定化し、その後は体質的基盤に肉体的精神的要因が加わり、更に自然的、社会的環境などの外的因子が重なつて発現した自律神経失調症による病状が続いているにすぎず、これは本件交通事故とは因果関係がないものとみるべきである。よつて本件損害額もかゝる限度において算定さるべきである。

(三)  抗弁に対する原告の認否および反論。

1  過失相殺の主張についての反論。

本件加害車両の運転手千葉千敏は、売上金の整理をした後、ルームミラーを見ただけで、バツクミラーを見ることなく、ドアを開けたものである。運転手として、右側のドアからの下車は、後方からの車両及び通行人の有無を確認し、その衝突のおそれのないことを確かめた上でなされなければならない。本件は、この基本的安全確認義務を怠つたものである。

しかも本件の場合は、停車してすぐにドアが開けられたのではなく、売上金の整理をした後に開けられたのであるから、後方から同車両に接近してきた原告において突然ドアが開くとは思いもよらなかつたのである。停車してすぐの車両からの下車は考えられても、かなり前から停車している車両からの突然の下車は予期しにくいものであり、それまで予想した安全運転を原告に求めるのは酷である。よつて過失相殺が認められるとしても、加害車両の運転手の過失こそ重大であること明白である。

2  弁済の抗弁について。

千葉労災病院の治療費 認める。

芝病院の〃 金七万四〇六三円の限度で認めその余は不知。

南総病院の〃 認める。

島田鍼医院の〃 認める。

エキス薬代 金一万八五〇〇円の限度で認めその余は不知。

交通費 認める。

休業損害補償費 金五四万九一四七円の限度で認め、その余は不知。

寺島外科の治療費 不知。

千葉労災病院入院付添料 否認。

以上

なお、原告が右に認めた金額については、本件訴訟では、これを除外して請求しているものである。

三  証拠関係 〔略〕

理由

一  原告が昭和四七年一〇月二一日午前八時四五分頃、自転車を運転して、市原市菊間二三九四番地先道路を走行中、被告所有の普通乗用自動車を運転して先行していた被告従業員千葉千敏が同車のドアを開けたため、このドアに衝突した事実は当事者間に争いがなく、成立に争いのない乙第二〇号証の一ないし四、第二四号証の三、原告本人尋問の結果によれば、右事故は運転手の千葉千敏が後方を確認するのを怠つて同車の右ドアを開けたところ、同車の右をやりすごそうとして進行してきた原告がこのドアに衝突して惹起するに至つたものであつて、この事故によつて、原告は、当時の診断で、約五週間の治療を要する右上肢挫傷、左下腿挫創、頸部挫傷の傷害を受けたことを認めることができる。

二  被告が右加害車両の保有者であることは、当事者間に争いがない。

三  原告の蒙つた損害について判断する。

(一)  休業補償費

原告が本件事故当時訴外柳沢清経営の八幡縫製という織物工場に縫工として勤務し、月々約金三万五一五〇円の割合で収入を得ていたことは当事者間に争いがない。

原本の存在、成立に争いのない甲第三号証の一、二、前掲乙第二四号証の三、原告本人尋問の結果を総合すれば、原告は本件事故で受けた傷害のため、主として頭痛と背中のひどい凝りを感じ、縫工の仕事をすることができなくなり、事故後昭和五二年二月末日に至るまでの五二ケ月間勤務を休んだので、その間合計金一八二万七八〇〇円の収入を得られなかつたことを認めることができる(なお、原告がこのうち、被告より支払を受けた金五四万九一四七円を差引いた残額金一二七万八六五三円を本訴で請求していることは、その主張のとおりである)。

(二)  慰藉料

原告本人尋問の結果によれば、原告は本件事故による傷害を治療するため、最初は市原市の寺島外科医院に昭和四七年一〇月二一日から同月二四日に至るまで通院し、しつぷと飲み薬による治療を受け、ついで昭和四七年一〇月二五日から昭和四八年六月一二日に至るまで千葉市の労災病院に通院し、ベツドでの牽引、飲み薬、バイブラ、ホツトパツク等による治療を受け、さらに、昭和四八年五月以降は東京都の芝病院へ通院し、飲み薬、針治療、注射などを受けて今日に及んでいること、事故直後は、とくに頭痛、肩凝りがひどく、首をまわすことさえ困難なほどであり、現在でも、ようやく部屋の掃除や、一五~二〇分程度のアイロンかけができるようになつたが、季節の変り目には体調がおかしくなること、以上の事実を認めることができる。

このような事実からみて、原告に対する慰藉料は金一五〇万円が相当である。

(三)  治療費、交通費

1  芝病院の治療費

(イ) 原告本人尋問の結果およびこれにより真正に成立したと認められる甲第六号証の一ないし七、弁論の全趣旨によつて真正に成立したと認められる甲第三号証の六、七、同第八号証および証人瓜生孝雄の証言を総合すれば、原告は、昭和四九年九月一九日から昭和五〇年一〇月末日に至るまでの間、芝病院で本件事故による傷害の治療を受け、その治療費として金四万五一九〇円を支払つたことを認めることができる。

(ロ) 弁論の全趣旨によつて真正に成立したと認められる甲第九号証の一、二、証人瓜生孝雄の証言および原告本人尋問の結果を総合すれば、原告は、昭和五一年一月から昭和五二年二月末日に至るまでの間、芝病院で本件事故による傷害の治療を受け、その治療費として金三万七八七六円を支払つたことを認めることができる。

2  盛医師に対する治療費

(イ) 原告本人尋問の結果およびこれにより真正に成立したと認められる甲第五号証の二ないし六、同第七号証の一を総合すれば、原告は昭和四九年九月一七日から昭和五〇年一〇月末日に至るまでの間、盛医師の下で、本件事故による傷害の治療を受け、その治療費として金一六万三五〇〇円を支払つたことを認めることができる。

(ロ) 弁論の全趣旨によつて真正に成立したと認められる甲第一〇号証の一ないし四および原告本人尋問の結果によれば、原告は昭和五〇年一一月一日から昭和五二年二月末日に至るまでの間、盛医師の下で本件事故による傷害の治療を受け、その治療費として金二一万二五〇〇円を支払つたことを認めることができる。

3  芝病院までの交通費

(イ) 弁論の全趣旨によつて真正に成立したと認められる甲第三号証の五、前掲甲第三号証の六、七、同第八号証、成立に争いのない乙第二二号証および原告本人尋問の結果によれば、原告は、昭和四九年九月一九日から昭和五〇年一〇月末日に至るまでの間に芝病院に合計一八三回通院し、一回の通院につき往復で金七〇〇円の足代がかかつたので、合計金一二万八一〇〇円を交通費として支払つたことを認めることができる(なお、原告の主張では、このうち一八二回分即ち金一二万七四〇〇円を本訴で請求している)。

(ロ) 前掲甲第九号証の一、二、および原告本人尋問の結果によれば、原告は昭和五一年一月から昭和五二年二月末日に至るまでの間に、芝病院に合計一六〇回通院し、一回の通院につき往復で金七〇〇円の足代がかかつたので、合計金一一万二〇〇〇円を交通費として支払つたことを認めることができる。

4  盛医師までの交通費

(イ) 前掲甲第五号証の二ないし六および原告本人尋問の結果によれば、原告は昭和四九年九月一七日から昭和五〇年一〇月末日に至るまでの間に、盛医師の下に合計一〇五回通院し、一回の通院につき往復で金三〇〇円の足代がかかつたので、合計金三万一五〇〇円を交通費として支払つたことを認めることができる。

(ロ) 前掲甲第一〇号証の一ないし四および原告本人尋問の結果によれば、原告は昭和五〇年一一月一日から昭和五二年二月末日に至るまでの間に、盛医師の下に合計一〇九回通院し、一回の通院につき往復で金三〇〇円の足代がかかつたので、合計金三万三七〇〇円を交通費として支払つたことを認めることができる。

(四)  弁護士費用

弁論の全趣旨によれば、原告は本件訴訟追行のため弁護士白井幸男を訴訟代理人として選任し、その報酬として金三〇万円を支払うことを約したことが窺われるが、右金額は著しく高額とはいえない。

四  弁済の抗弁

被告は本件につき合計金一〇四万六四五七円の弁済を主張し、このうち、金九二万九五六九円の限度を原告が認めているが、この額をこえた部分については、成立に争いのない乙第一四ないし第一九号証の記載だけでは、いまだ弁済の事実を肯認することができず、他に右弁済の事実を認めるに足りる証拠はない。

そして、右争いのない金額のうち、千葉労災病院の治療費金一〇万七六四〇円、南総病院の治療費金四万五〇〇〇円、島田鍼医院の治療費金七五〇〇円、休業損害補償費金五四万九一四七円については、もともと原告が本訴での請求額に計上していないことが主張自体から明らかであり、また、芝病院の治療費金七万四〇六三円、エキス薬代金一万八五〇〇円、交通費金一二万七七一九円についても、成立に争いのない乙第七、第八、第一〇、第一二、第一四ないし第一九号証、原告本人尋問の結果ならびに弁論の全趣旨よりすれば、これらはいずれも昭和四九年九月中旬以前の出費に対する弁済であつて、原告が本訴で請求している金額には含まれていないことが窺われるから、これらの弁済は、本訴における原告の請求金額を当然には減額させる効力を有するものとはいえない。

五  症状の固定化の主張について

被告は、原告の症状は昭和四八年五月一〇日の時点で固定化したから、その時点で本件事故との因果関係が消滅したと主張するが、証人瓜生孝雄の証言、原告本人尋問の結果および弁論の全趣旨によれば、本件事故による原告に対する機能的な傷害は相変らず今日まで残存していることが認められ、成立に争いのない乙第二二号証、第二四号証の記載によつても右認定は左右されず、他に右認定を覆えすに足りる証拠はないので、被告主張の右見解は採用の限りでない。

六  過失相殺について

前掲乙第二〇号証の一ないし三および原告本人尋問の結果によれば、次のとおり認められる。即ち、原告は本件事故の際、自転車に当時三歳の長女を同乗させていたものであつて、これは道路交通法第五五条の規定に違反し、もし、このような違反がなければ、少くとも被害の態様が、本件で見られるほど深刻なものとならなかつたであろうと推定される。また一方、加害車両の運転手である千葉千敏は、バツクミラーを見て後方より接近する車両等のないことを確かめることをせず、ただ、漫然とルームミラーを覗いただけでドアを開けたのであつて、これは道路交通法第七一条第四号の二の規定に違反するものであり、本件事故の決定的な原因を与えたものというべく、過失は大きいといわなければならない。以上のように認められる。そして、これら全体から判断して、過失の割合は、原告一対被告九とするのが相当である。

七  むすび

そこで、右のような過失割合に基づき、被告が原告に対して、本訴で支払うべき金額を確定するには、まず、一応全部の損害額を計上し、これを過失割合によつて按分し、ついで弁済による減額を行なうのが正当である。

右の方針に従つて計算すると次のようになる。

全損害額は次の各項目の総計であつて金四七七万二五八八円である。

(一)  休業補償費 金一八二万七八〇〇円

(二)  慰藉料 金一五〇万円

(三)  治療費、交通費

1  芝病院の治療費

(イ) 49 9 19―50 10 金四万五一九〇円

(ロ) 51 1―52 2 金三万七八七六円

2  盛医師の治療費

(イ) 49 9 17―50 10 金一六万三五〇〇円

(ロ) 50 11―52 2 金二一万二五〇〇円

3  芝病院への交通費

(イ) 49 9 19―50 10 金一二万八一〇〇円

(ロ) 50 11―52 2 金一一万二〇〇〇円

4  盛医師への交通費

(イ) 49 9 17―50 10 金三万一五〇〇円

(ロ) 50 11―52 2 金三万三七〇〇円

(四)  弁護士費用 金三〇万円

(五)  既に被告が弁済したものとして本訴請求に含めていない分(但し、このうち休業補償費については、原告において前記金一八二万七八〇〇円の中に含めているのでこれを除く)

1  千葉労災病院の治療費 金一〇万七六四〇円

2  南総病院の治療費 金四万五〇〇〇円

3  島田鍼医院の治療費 金七五〇〇円

4  芝病院の治療費 金七万四〇六三円

5  エキス薬代 金一万八五〇〇円

6  交通費 金一二万七七一九円

以上

しかして、右総額の九割は金四二九万五三二九円となり、これが元来被告の負担すべき損害額であるから、これから既払分である金九二万九五六九円を差引いた金三三六万五七六〇円が本訴で被告の支払うべき損害額である。

よつて、原告の本訴請求は、被告に対し、金三三六万五七六〇円とこれに対する事故の日の翌日である昭和四七年一〇月二二日から支払ずみに至るまで年五分の割合の民法所定の遅延損害金の支払を求める限度において理由があるので、この限度において認容し、これをこえる部分は理由がないので棄却することとし、訴訟費用の負担につき民訴法八九条、九二条を、仮執行の宣言につき同法第一九六条を適用して主文のとおり判決する。

(裁判官 小木曽競)

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